夜中のコンビニで元彼に会いました。
10年振りの再会です。しかも夜中のコンビニなので私はテンションが上がりました。
「すごい、偶然だね!この近くに住んでるの?元気にしてる?」ニコニコ。とは私。
「久しぶり…。デザイナー続けてるけど…。俺来週からサンフランに転勤するから、今週は友達のとこに泊まってるんだ…。」と元彼。
「へーすごいね!」ニコニコ。しかしなぜシスコを省略?
「あと、入籍する。」
「そーなんだ!オメデトー!」ニコニコ。
「今何してるの…?」
「コールセンターで働いてるよー。」ニコニコ。
「てゆうかさぁ、展示とかしてるの?作品作ってるの?売れてるの?」
はっとして、彼の目がスーパー冷ややかなことと、コールセンターで働いていることを笑顔で答えてはいけなかったことに気がつきました。時すでに遅しでした。
「ああ…、えっと…、展示っていうか最近はグループで活動したり…。」
Q1:何でこういう時にモゴモゴしてしまうのでしょうか?
A:コレといって何もしていないから。
「へぇ、そういう感じね。じゃー俺行くわ…。」と、振り向かずに退場。
Q2:元彼はどうしてこんなに冷たいのでしょう?
①10年前に泣きの復縁を断ったから ②自堕落な人間が嫌いだから
A:保留。
その時、店内で「アンダーザブリッジ」が流れてきて、歌っていいもんなんだなぁとしみじみ思いました。こういう時はカントリーロードかメガヒットソングだと思いました。万人に受け入れられるものには瑣末な悲しみを包む包容力があるからです。
満月より明るいローソンの看板の下で、スーパードライを一気飲みして、マルメン6本チェーンスモークしました。「帰ろう」と思って、来る時の3倍くらいのスピードでチャリンコをかっ飛ばしました。私は音痴ですが、この時は「さよならアメリカさよならニッポン」をサビだけ何度も熱唱しました。汗で前髪がおでこにくっつきました。
1度も休まずコンビニからかっ飛ばして来ましたが、天沼陸橋の上り坂を登り切ると頂上で力つきました。
「オェェェェェェ。オェェェェェェェェェ。」
スーパードライがリバースで、鼻の奥がツンとなって涙が滲みました。
「惨め…。」と、ついつい溢れました。いえ、本質的には惨めじゃないんです。て言うか、本質的にとか言うのが一番惨めなんです。あれ、やっぱり私惨めなのかしら?と堂々巡りをしていると、しゃがみこんだ私の後ろを何台もトラックが通り過ぎました。その度に水たまりになったゲロがキラキラ光りました。
「アメリカに転勤するんだし、入籍もするんだし、もっと喜んでくれよ…。」
無性に悲しくなって地べたに座り込みました。人のいない陸橋をトラックだけがひっきりなしに行き来して、その度に蠢くキラキラをボーッと眺めました。アスファルトの凹凸でお尻に模様が出来ました。
「私は惨めじゃない。」ゲロに向かって言ってみました。